心療内科とは何か
皆様は心療内科という言葉を、最近方々で聞くと思われませんか?それではこの心療内科がどんな病気を診察する科なのか、正確な理解をされているでしょうか?例えば何等かの症状を自覚した時、各診療科の担当する病気が把握出来ていなければ、何処の診療科を受診すれば良いのか、まるで見当がつかない筈です。
そこで今日この記事に巡り会ったのも、何かの御縁と受け止めて、これを機会に是非とも肝に銘じて頂きたいのです。この心療内科とは、ストレス等が原因となり、心と身体に様々な症状が現われる、心身症を診察してくれる診療科なのです。
それでは何故、こういう心療内科に関して、最近では何度も耳にするのでしょうか?これは紛れもなく、現代社会の仕組みが、ストレスの温床となっているからです。
この様に社会が複雑になりますと、普通の方々がストレス過多に陥り、何等かの症状を呈する様になるのです。この点昔から「病は気から」と言われましたが、心療内科で取り扱う病気に限れば、疑いの余地もなく完全にその通りです。即ち病気の発症の原因としては、心に受けた多様なダメージが挙げられるのです。
とは言えこの様な心理的な病気は、風邪の様なウイルスが原因となる物理的な病気とは、本質的に異なります。従ってその治療の結果の完治に至る道程も、短期間で済むもの、非常に長い期間を要するものと、誠にバラエティに富んでいるのです。
ところでこれは特筆すべき事ですが、心療内科と精神科・神経科を、混同して解釈する方々が、未だいらっしゃる様子です。
そうなのです。この心療内科と精神科神経科とは、実際には全く異質の診療科なのです。
ところがどちらも、ウイルス等が原因の病気ではなさそうなので、つい酷似したイメージを抱いてしまいがちなのでしょう。
然しながら繰り返しますが、これ等は取り敢えずは別物と解釈して下さい。そこでこの違いに関しましては、次の章で御説明をして参りましょう。
心療内科への道程
前の章の記事にて、心療内科が心と身体を関連付けて診察する診療科だという事が、もう理解して頂けたでしょう。
確かに現実にも、今何等かの症状に陥って内科に通院しながらも、実際には心が原因で発症している事例は多いに違いありません。こんな場合には、症状である表面的な部分だけを治療しても、原因となる心の部分が放置されては、そう簡単には完治はしません。更には、時として再発の危険性すらある、この点には患者さんの方も、充分な危機意識を持って下さい。
本来ならば内科医師の側こそ、こいう視点を持って診察するシステムが非常に重要と言えます。然しながら患者さん本人の側でも、「ひょっとするとこの症状は、心が原因ではないか?」と発想を転換する柔軟さは必要です。たとえ医師であっても、患者さんの心の内面までは、初対面では察知しにくいものです。しかし患者さん本人なら、現在どんな心配事やストレスを抱えているのか、誰よりも正確に分かるではありませんか!。
実際には、自らの心では心配事やストレスを些細だと信じ込んでいても、身体の方が大きなダメージと認識して、拒絶反応を起こしているケースがあります。ところがこうなるともう完全に、この心配事やストレスという心の状態と、あれこれ現われる身体の症状には、何も因果関係はないと、完全に切り離して解釈するのも、全く無理はありませね。
従って、この心と身体を関連付ける発想を得た時に、「心療内科へ行けば、この症状から救われるのではないか?」という着想がここに生まれる事になる訳です。この様に、心が原因で発症する内科系の疾患というのは、実際には意外にも多いのです。
まさしく心と身体が結び付いている、この証拠と解釈出来るのです。
それでは次の章では、心が原因で発症する内科系の疾患に関して、御一緒に学んで参りましょう。
心療内科の理論
実際には心療内科には、母胎となる医学が存在したのです。これが何と、「心身医学」という医学なのです。
この心身医学は、その昔ドイツで誕生した医学です。その後、アメリカに伝達され、精神分析の専門家である精神科医によって、発展を続けました。ところがその後は、現代のアメリカのリエゾン医学と呼ばれる方向へと、発展を遂げたのです。
先ずこのリエゾン(Liaison)とは本来はフランス語で、この言語に於いて複数の単語を連ねて発音する現象を意味します。然しながら現在に至っては、リエゾンという連携を意味する言葉は、料理を始めとして、多彩な分野で使用される様になりました。
それではリエゾン医学とは、やはり連携を意味するのでしょうか?これは、身体の診療科の患者が背負う精神的な課題に対し、その診療科との相談と連携(Liaison:リエゾン)する事を基本にして、診療を続けて行く精神医学の分野を指すのです。
特にドイツに於いては、内科や精神科とは全く別個に、あらゆる医学部と医科大学に、心身医学科が設置されています。こうして学生全員に対して、心身医学の教育を義務付けている訳です。従って国家試験にも必須の問題として、心身医学から出題されています。
この後は我が国に於いても、内科医を中心として、小児科医、産婦人科医、麻酔科医等の身体科医が主役となり、この心身医学は発達を遂げて来ました。因みに我が国で最初に心療内科が登場したのは、何と九州大学の医学部なのです。更に、驚かれるかも知れませんが、この「心療内科」という名称の科は、我が国だけに存在する、まさに日本固有の物なのです。
ただ敢えて申せばドイツの様に、心身医学に対する教育的な取り組み方法を、我が国でも各々の科で実行すれば、理想的だと考えられるのです。この様に心療内科とは、心と身体を扱う医学と医療を、内科に於いて実施する科を現わします。
ただ何はさておき、現在の心療内科が、心身医学を母胎にしている史実は、ここで理解して頂けたのではないでしょうか。
この現代社会には、多彩な「女性専用」が存在します。そして遂にこの心療内科に於いても、女性専用の病院が登場したのです。この点、現代に残るその昔の女人禁制の風習は別として、今の世の中では男性専用の物は殆ど見かけない代わりに、女性専用の物が随分と多い印象があります。
これはそれだけ女性が、保護されるべき存在なのかも知れませんし、或いは繊細な存在なのかも知れません。更に、「心」というデリケートな部分を扱う診療内科に於いては、女性専用はなくてはならない気がしませんか。
何故なら、男性から受けた暴力や暴言等が原因となり、精神を病んで身体に症状を現わした女性は、想像以上に多いからです。これ等の暴力の中には、日常的な殴る蹴るだけではなく、時には強姦(性暴力)も含まれます。
特に性暴力を受けた女性の心の傷には、「一度は死んだ。」と評される程に深刻なものがあります。従ってこのケースでは、恐怖を覚える男性を立ち入り禁止にでもしない限りは、女性からは通院して貰えそうもありません。だからこそ女性の心理を思いやった、女性専用の心療内科の存在は、非常に有り難いものとなるのです。
更には、暴力まではいかなくても、セクシャルハラスメントやモラルハラスメントを受けて、男性に嫌悪感を抱く女性は少なくないのです。こういう女性の場合は病院の待合室でも、男性の隣に座る行為等は、出来れば拒否したい気持ちに違いありません。
この他女性専用としては、心療内科と婦人科が併設された病院も実在しますし、更には美容皮膚科までもが一緒になった病院も存在します。
何よりも、心療内科や婦人科や美容皮膚科が、女性の立場からは羞恥心を覚える場所である訳です。特に「こんな病院に通院している事実を、誰にも隠したい。特に男性にだけは、絶対に知られたくない。」との気持ちがある女性の場合は、女性専用の病院であれば安心出来るに違いありません。
やはりストレスを受けて病気になったからこそ、心療内科へかかって直そうとする訳です。従ってその心療内科は受診する前に、入室しただけでもストレスが癒やされる場所であって然るべきなのです。